第2回、鍵がみつからない劇場〜東京編〜

2月3日、家の前でかばんをあさると、鍵が入っていませんでした。
体調が悪く、朝も昼もほとんどご飯が食べられなかったのだけど、夜だけは、節分だし、恵方巻で元気つけるぞ〜って袋いっぱい買い物して帰ってきた私の心は一瞬にして暗くなっていきました。
実は鍵をなくしたのは2回目。1回目は大阪に住んでいたころ、鍵をかけずに外出して帰宅、かばんに鍵が入っていない!と大騒ぎしたという事件があったのですが、またしてもやってしまうなんて…。鍵を落としたのか、かけ忘れたのか、記憶は定かではないけれど、かけずに出かけるはずもないし、落としたのかもしれない…。
そう思って不動産屋さんに電話。
もちろん、営業時間外で出ない。
一応駅で落し物をきいてみることにしました。
ない。

ですよねー・・・。

オートロックの前で住民が帰ってくるのをじっと待って入るというのも考え、しばらく待ってみたものの、寒くていられなかったので、仕方なく、ここから1時間強の場所に住んでいる弟に電話して、泊めてもらうことになりました。次の日になれば入れる!そう信じて。
弟の家までの1時間は非常に遠く感じました。ぱんぱんのスーパーの袋をもって帰宅途中のサラリーマンにまざり、しょんぼりとした気持ちで移動。昔の私なら、ただのしょんぼりで済んだのですが、今はうっくん持ち。たまたまほとんどご飯を食べていない日だったこともありふらふら状態。とりあえずパニック障害だけはおこしてはならない、と必死で精神をコントロールしながら弟の家へ行きました。
弟の家に着くとさっそくご飯だ!という気分になれるはずもなく、せっかくかった恵方巻も飲み込むのがしんどくて途中で断念。我ながらすごい落ち込みようだと感心するばかりでした。
どんよりしている私の横で、いつもどおりサガフロ(プレステのゲーム)で敵をよけながら「俺様すげー」を連発している弟。はいはいすごいすごい。
「おねえちゃんもうよれよれだからリンゴむいて」
「おねえちゃんお茶ほしいな」
と、私も言いたい放題。
いつもなら「フザケンナ」と返されるところでしたが、
「貴様、この俺にリンゴをむかせるのか」
といいながらも、リンゴをむいてくれたりお茶を入れてくれたりしました。なんだかんだでやさしいやつです。その後も、ほとんどご飯が食べられない私をみて、コンビニでなんかかってきてやろうか、などど優しい言葉をかけてくれて、きもちわ・・・うそです、とてもありがたかったです。早めにお風呂に入って出てくると、一式しかない布団の敷布団をふかふかシーツつきで貸してくれ、俺はどこでも寝れるし、といいながらこたつ敷きを自分の敷布団にしてくれたりして、ちょっとジーンときました。いつでも優しい人はいっぱいいるけど、いつもひでぇことばかりいう人が実はちゃんと優しいって、いいですよね。まあ、こんな優しいことは数年に1度くらいしか見れないような気がしますが、こういういい面に気が付いて付いてきてくれるかわいい彼女とかできたらいいのにね、とか思いました。


弟の話はおいといて。


次の日。心配事でほとんど眠れなかったのですが、なんとか出社しました。そしてさっそく不動産屋さんに電話をしました。すると、なななんと、今日は定休日だったのです。
まじでっかー!
ショックのあまり、仕事をする気がうせて午後半休。
そういえば最上階に大家さんが住んでいるんだった、ということを思い出し、マンションの入り口で大家さんを呼び出してみました。
出ない。
仕方がないので鍵屋さんに鍵を開けてもらうため、電話をしました。
するとさらなる悲劇が。なんと、オートロックの鍵は開けられないのだそうです。
そんなばかな・・・!
またこの寒い中、帰ってくる住民を待てというのか><
しかもオートロックが解除できたら7,000円、家の鍵が18,000円、出張費が4,000円かかるといわれ、ぞっとしました。ホテル泊まったほうが安いやんけ。とりあえず落ち着くためにいったん電話を切り、もう一度玄関に回って、かたっぱしからインターホンをならしてみました。

誰か出てくれ!!!
でない。

・・・どんだけついてないんだ。


ショックのあまり発作を起こしそうになったので、なんとなく母親に電話。3万は高いけど、家に入れた方がいいということになり、もう一度鍵屋に電話して鍵を開けてもらう手配をしました。オートロックについては最悪、ハシゴをつかって侵入するとのこと。なんという大掛かりな作業なんだ。
鍵や到着まで1時間半。

・・・もうどうにでもなってください。


鍵屋を待つ間、とりあえず気分転換をしようと思い、本屋で本を物色。すると程なくして鍵屋から、すぐにいけそうだとの連絡がきました。
やった、と思ってマンションへ向かうと、でっかいトラックが止まってて、鍵屋さんがオートロックのところでなにやらがちゃがちゃやっていました。だいぶはやいな、と思って声をかけると、あれ、おかしい。オートロックは開けられないといっていたはずなのに、思いっきり鍵を開けているではありませんか。鍵屋のおじさんは、私を見るなり住民だと思ってくれたようで
「ちゃんと修理しましたよ、ほら、開け閉めしてみてみてください」
と言ってきました。
「おお、すごい、なおってますね」
これさえなければ、と思っていたオートロック。どうやら偶然、今日、この時間に修理に来ていたようでした。もしおじさんが来る数分の間に私がここに来てなかったらどうなっていたんだろうと思うと、思わずなみだ目になって、鍵屋さんに事情を説明して感謝の言葉をかけました。おじさんは、とりあえずよかったねーくらいの反応でしたが。
すぐに部屋のドアまでかけあがると、想像していた通り、鍵がかかってない扉はあっさりと開きました。


よかった><。やっと入れた><。


ほどなくして、家の鍵を開けるよう頼んだ業者さんが到着。
「すみません、鍵、開きました。出張の代金お支払いします。お騒がせして申し訳ありませんでした」
と4000円を払いました。最初に3万かかると覚悟していたので、4000円くらいへのかっぱです。


前回と同じく、しばらくは家で放心状態。鍵さがしに協力してくれた人にメールで報告したり、親に電話したりしました。親に電話してるときは、なんかもういろいろありすぎたせいで、嬉しくて幼稚園児のようにえぐえぐなきながらでした。嬉しいの半分、情けないの半分。


というわけで、無事に入ることができました。
心配かけてしまってすみませんでした。上記の通り、最後の最後までいっぱいいっぱいだったのでどうか許してください。3度目はないようにしないとね、ほんとに。。。